死と安楽の間で

〜安楽死、尊厳死について考えるブログ〜

安楽死に対するタブーは道徳的パターナリズムか

前回のブログにも書いた、年末の安楽死の映像についてだが、インターネットで調べるとその映像は“ディグニタス”という団体の協力のもとに撮影されたものらしい。“ディグニタス”という団体はどのような団体なのだろうか。ディグニタスHPの説明欄の英訳である。

http://www.dignitas.ch/index.php?option=com_content&view=article&id=4&Itemid=44&lang=en

 

“尊厳を持って生き、尊厳を持って死ぬためのディグニタス” はスイスの法律に基づく団体で、1998年5月17日にForch(チューリッヒ近郊)で設立されました。商業的利益を何ら追求しない組織は、そのメンバーに尊厳のある生命と死を保証し、他の人々がこれらの価値から恩恵を受けることを可能にするという目的をその構成に準拠してます。DIGNITASの活動には、次のものが含まれます
・すべての終末問題に関するカウンセリング
・医師、診療所、その他の団体との協力
・医師および診療所に関する患者の指示と患者の権利の遂行
・自殺と自殺未遂を防ぐこと
養護老人ホームの管理、患者が選択していない医師、安楽死の権限をめぐる紛争における支援
・「最期の問題」についての問いを見つめることに関するさらなる法的な発展
・死に至る患者の同伴と、自己決定的な最期のアシスタント。
2005年9月26日、「Dignitas - ドイツのセクション」がハノーファーで設立されました。この団体はディグニタスの目的のためにドイツの人々の協力を通じて設立されたものです、
今日、これらの2つの協会は69カ国の7100人を数えます。両協会は世界権利連合連盟(WFRtDS)と欧州連合(EU)連合(EU)の加盟国です。
ディグニタスは日々、タブーにすることなく、自身の最期を見つめることに対しての真摯なカウンセリングを求める世界中の人々と接触しています。社内外のパートタイム労働者約20名が会員の人々や、さらなる人のニーズのために活動しています。

 

 この団体が1998年設立されたということは、20年前からこの組織はあるということだ。この団体紹介のページで気になったことは、“タブーにすることなく“という部分だ。実はこの部分が英語だと”パターナリズム的、父権的“という言葉も付け加えてある。この団体は安楽死をタブーにすることは、ある種の道徳的パターナリズムということなのだろうか。

 その点を考慮すると、安楽死の議論が遅れている日本は意識的であれ、無意識的であれ、この道徳的パターナリズムと向き合っていない、ということができるかもしれない。